ITエンジニアがプログラミング学習などで就職/転職までに必要になる独学/学習の基本や学ぶべきことを解説します。
これが理解できたら希望するエンジニアの職種を決めてロードマップにある技術を学びましょう。
最後にポートフォリオ作成に取り掛かり完成したら就職活動に入ります。
何からはじめる?
何を勉強すべきか
学習では各職種で必要になる環境構築、プログラミング言語、マークアップ言語、SQL(DB)、サーバーインフラ(OS/アプリ/ツール)、その他のツール操作などを学びます。
考え方の基本となるロジカルシンキングと実際のチーム開発で必要になるコミュニケーションスキルも学んでおかないと困ります。
最初の目的はスキルアップとポートフォリオ作り
スキルアップは当然ですが、それを相手に伝えるのに役立つポートフォリオ作りも大切です。
就職/転職に向けた目標は学習結果がアピールできるポートフォリオが望ましいです。
就職では何かしらのポートフォリオがあったほうが圧倒的に有利になります。
とはいえ、なかにはポートフォリオがなくても就職できる会社もあります。
ですが、それだと未経験者の実力を憶測で計ることになります。
そのような会社は自社の社員教育のやり方に自信があるか、それなりに出来れば誰でもいいような仕事を引き受けているブラックSESなどの可能性があるのでちゃんと企業研究をしておきましょう。
エンジニアになるための勉強は合計何時間? 何年?
就職/転職に必要な合計はだいたい500~1000時間です。
これは単なる情報収集や本を読むだけの学習ではなくハンズオンの本などで動作確認したり、プログラミングで動くものを作る時間の合計と考えてください。
目標に向かって課題を解決していくPDCAサイクルを回した時間が学習時間に当たります。
近頃はエンジニア人気で希望者が増えてしまいレベルが上がってきているので1000時間以上は覚悟しておいたほうがいいでしょう。
目指す職種で変わってきますが、1日10時間で50~100日、2~3ヵ月かかる計算です。1日3時間で1年弱です。
難しい職種や大企業を目指すならもっとかかるでしょうし、ブラック SES でいいならもっと短時間でもいけます。
独学でも教えてもうにしても途中で問題が出てつまずくので覚えるだけでなく調べたり悩んだりする時間も含めて考えてください。
独学なら1日何時間すべきか?
毎日3時間以上学習すると効率がいいです。
学習にはストレスがかかり忍耐力も必要になるので集中して学習できる3時間くらいが現実的です。
逆に1日1時間が限界だという人は気長にやるか、エンジニア以外の仕事も視野に入れることをおすすめします。
近頃は減っているとはいえ、実際の開発業務では徹夜作業になる恐れもあるので長時間イスに座って作業を続けられないと辛いです。
もちろん学習時間は長ければ長いほどいいので、出来る人は家に居るときはずっと学習していてもいいです。
これが出来る人はエンジニア向きなので未来は明るいです。
現役エンジニアは1日何時間勉強しているか?
人それぞれですが、週5時間が相場ではないかと言われています。平日1日1時間か週末にまとめて5時間などといろいろなパターンがあります。
勤務中や残業時間に仕事と関連する技術を自分の好みで勉強することもできます。
ですが、近頃は残業時間を減らす傾向があるので仕事中に勉強するのはやりにくくなる傾向にあるようです。
言語/スキルの基礎学習
ネットや本でも学べますが、Progateやドットインストールでかなりカバーされているので初級レベルまでならこれらが便利です。
趣味でプログラミングを学んでみたい人にもちょうどいいサービスです。
粘り強い人や勘のいい人ならネット検索や入門書だけでも中級レベルまではいけるでしょう。
学習サービスは使わず独学で始める人は先に次の環境構築を行ってください。そうしないと学習を始められません。
開発環境の構築
Progate/ドットインストールではサーバー側に環境構築されているので不要でしたが、両サービスで出来ないことを学ぶにはローカル(自宅PCなど)やクラウドサーバーなどに開発環境を作る必要があります。
初心者が処理の動きを見ないで学習するのは絶望的に効率が悪いです。エラー解決のスキルも身につけられません。
開発環境の構築は事実上必須だと考えてください。
環境構築ではコンパイラやサーバーなど目的のプロダクトが作れるツール(エディター/IDE/その他)をインストールしたり契約して使える状態にします。
HTML/CSS/JavaScript はブラウザ機能や無料ツールだけでも動作確認できるのでコンパイラやサーバーなどがなくても学べます。
JSも動作確認できるサイト ⇒ CodePen
一定レベルまでの学習
必要な技術をそれぞれ入門書の8割くらいまでは理解しておきましょう。
初学者なので多少苦手なことやわからないことがあっても問題ありません。
全部理解できるに越したことはありませんが、実際の業務では入門書にある処理を全部使うのではなく必要なものしか使いません。
仕事で使う間に理解できるようになるでしょうから、後でわかるようになっておけば大丈夫です。
わからないところでつまずいて何時間もかけてしまったり、挫折してしまうほうが問題だからひとまずスルーでよし。
自己ブランディング
必須ではありませんが就職/転職が有利になるのでブログやSNSで自己アピールしていきましょう。
学習で失敗を乗り越えた経験談やいい人柄であることが伝わるエピソードなどがあるといいです。
そうすることで客観的な自分のイメージアップを狙うのが自己ブランディング戦略です。
会社の採用側にとってもエンジニアのスキルは客観的な評価が難しいものです。
仕事を頼む側からすると当たり外れがひどいので実務何年などの現場やスキル使用経験で判断する傾向があります。
採用側はハズレを引くのが特に怖いので先にYouTube や Twitter など情報発信することで自己ブランディングしておき誠実さや学習意識の高さが伝わるようにしておくと採用されやすくなります。
未経験者なら未経験者なりに企業に求められる特徴があります。それをアピールできれば有利になります。
特にツイッターは手軽に情報発進できエンジニアの名刺代わりとしても使われるほどです。
誰に見られても恥ずかしくないようなちゃんとした情報発信をしておきましょう。
趣味やオモシロ情報を発信するならエンジニア用SNSアカウントとは別に趣味用のアカウントを作ったほうがいいです。
ちょっとした無責任な発言が追及されないよいうに名前もニックネームなどを使っておきましょう。
ポートフォリオ作成
これも必須ではないですがあったほうが就職で圧倒的に有利になります。
採用担当者に言葉では表せない努力の成果を感じさせられるのがポートフォリオです。
自社開発企業など上のランクを目指すならオリジナリティのある高品質なポートフォリオを目指しましょう。
ポートフォリオはレンタルやクラウドサーバーが無料や月1000円などで借りられるので企業の採用担当者がアクセスできるWeb上で確認できるようにしておくべきです。
ここでサーバー設定が面倒だとか、レンタル代の1000円をけちってWebサーバーを使わないと企業からの評価は下がります。
やる気も疑われます。
ポートフォリオがいい加減だと、この人は本気じゃないのかな?
とか思っちゃうわね。
また就職後はその程度の知識やスキルは普通に求められるものなのでこのタイミングで身に付けておきましょう。
ポートフォリオが自宅のPCの中にあってもソースコードを見せるくらいしかできないのであまりアピールにはなりません。
目的のポートフォリオが作れれば初学者としては十分でしょう。
就活中も品質アップしてアピールできる機能を追加しておくといいです。
就活
一旦学習の優先順位を下げて就職活動やクラウドソーシングの案件に応募して自分の市場価値を確認しましょう。
うまくいかなかったときは実力不足か運が悪かったと考えて、ポートフォリオの高品質化に力を入れ就活を続けてください。
これを就職や案件取得できるまで繰り返すのが基本です。
実のところ初学者が頑張っても企業側が驚くような高レベルのスキルを身に付けることは難しいです。
就職浪人を続けるよりも入れる会社に入って実務経験を積むことを優先したほうがスキルアップ・収入アップともに有利です。
大企業に就職するのが理想でしょうが、最初に働いた会社がSESかどうかなどより身に付けてきたスキルや職務経歴、人間性などのほうが重視されます。
ニート初学者が何か月も勉強を続けるならSESでもいいので就職してしまったほうが現場で勉強できて実績にもなるのでおすすめです。
どうしても最初から入りたい会社がある人は3ヵ月くらいなら毎月応募を続けてもいいです。
その熱意が評価されればいいですが、どちらかというとSESで1年でも実務経験があったほうがその会社にも入りやすくなっているはずです。
大企業の初学者採用はそれなりに厳しいチェックが入ります。ところが、経験者採用ならハードルがグッと下がります。
新入社員でも中途採用でもその会社で働くことには違いないので中途採用はねらい目です。
学習だけだとキャリアにならず無職の休職期間が増えていくだけなので就職市場ではどんどん不利になっていってしまいます。
就活がうまくいかないとき
スキル/人間性/タイミングの3つがそろわないと採用されません。
エンジニアスキルだけでなく人間性も会話やヒューマンスキルを上げていけば技術的に高めていくことができます。
面接対策にも力を入れてみてください。
未経験者の採用はポテンシャル採用といって将来の成長への期待値で評価されます。
せっかく身に着けたエンジニアスキルですが、一定以上のスキルがあればあとはキルよりも自走できる態度や人間性のほうが評価対象になりやすいです。
企業が望む人材に近づけるよう努力しましょう。
原因分析
どこが悪かったのか、どの評価ポイントを高めればいいのかなど自分で分析しましょう。
未経験者採用はハードルが高いので10社や20社落ちたくらいのことは気にしなくていいです。
会社にも都合があってたまたま増員した後だとか、プロジェクトが急に終わったなど採用活動がそもそも出来なくなっていることもあります。
基本的には書類審査に通り面接まで行けた会社は脈ありなのでそれに近いところを攻めるのがおすすめです。
うまくいかない問題点はビッグテックやメガベンチャーなど経験者でも入るがの難しい会社しか応募していなかったり、自分の実力に合った企業かどうかなどいろいろ見つかるはずです。
対処できるところから対処していきましょう。
面接対策/企業研究
何十社も応募するのにいちいち企業研究なんてしていられないと思うでしょう。
ですが、企業側は自社の理念に賛同し企業の発展に貢献してくれる人材を求めています。
志望動機はせめて「御社の企業理念に共感したから」とか「好きなプロダクトを作っているから」くらいのことは言えるようにしておきましょう。
そう言った後は具体的にどこに共感したり、どこが好きなのか聞かれるでしょうから、それにも答えられるようにしておきましょう。
実は企業理念などはそんなにパターンはないのでいくつか自分用のテンプレを作っておけばだいたい似たような感じで答えられるようになります。
企業側からみても、結局はみんな似たようなことを言うので別に感動したりはしないのですが、一応の建前にすぎないとしても社会人としてしっかりとした真面目な答えが出来ることなどをチェックしています。
何十人、何百人と面接していくとだいたいのパターンがわかってきちゃうのよね。
ちなみにポートフォリオも似たのをたくさん見てるから変わった機能をつけて受けを狙うより、基本機能を増やしていったほうが無難かもね。
面接で言ってはいけないのは「1年後にフリーランスになりたいとか企業に興味がないとわかってしまう言い方です。
インフルエンサーが自分の学習サロンの料金は就職すれば1年後にはすぐに取り戻せるなどというのはセールトークにすぎません。
インフルエンサーのサロンに入っているとかインフルエンサーの考えに共感していると勘違いされることを言うと採用されにくくなるので気を付けてください。
実際に1年でフリーランスになると言って辞めてしまう人がいるので採用担当者はインフルエンサーを嫌う傾向があります。
せっかく教えてやったのに1年で辞められちゃうんじゃ教えるオレ達もガッカリだな。
中堅からベテランエンジニアでも辞める人は3年くらいで別の会社に行ったりフリーランスになったりするのですが、最初はそういう雰囲気を出さないほうが有利です。
未経験者の採用はエンジニア人生の中でも一番ハードルが高いイベントになるでしょうから、致し方ないところでしょう。
就職後は自分も企業もスキルと経験が客観的に評価できるようになるので無理な高望みはしないし、つまらない仕事も断れるようになっていきます。
ポートフォリオの強化
就活中でやることがないときにとりあえずやるならポートフォリオの品質アップにはげむのが無難です。
採用担当が好むアピールポイントを増やしていけるといいです。
担当が好む機能はその企業の自社サービスや参画しているプロジェクトに近いものです。
ポートフォリオを強化するなら企業に好まれそうな部分を調べて実装していきましょう。
資格勉強はイマイチ
簡単に取れるものは評価が低く、評価の高いものは時間がかかるので暗記学習が得意な人以外には資格勉強はおすすめではありません。
普通に勉強しても評価の高い資格の取得には数百時間かかるので採用試験には間に合わない可能性が高いです。
それでも勉強するならオラクルのSQL資格などのベンダー系の資格がスキルアップにもなるのでおすすめです。
資格取得が間に合わなくてもオラクルマスターを勉強中だと言えば意識が高いことは伝わります。
基本情報などはSEや上流工程にならないと役に立たないので初学者には向いていません。
向いていないので合格したところで採用試験でそれほど高い評価されることは期待できません。
開発現場ではあまり役に立たない資格だと企業側も知っているからです。
たいして評価しないくせに資格を取らせようとする会社がけっこうあるよな。
SES なんかが営業するときに何かアピールできるポイントを増やしたいだけじゃないか?
持ってるだけで単価が上がるような資格はどれも勉強が大変だし、勉強するかは微妙なとこだな。
資格手当のある会社なら持ってるだけで月1万とか給料が増えたりする。
でも、フリーランスになったり他の会社に移った方が収入はもっと増えるから、やっぱり微妙だな。
クラウド案件をやってみる
未経験でもクラウドソーシングの案件なら取れるチャンスがあります。
残念なことに業務経験にはカウントしない企業が多いものの、スキルや実績アピールとしては下手なポートフォリオよりも評価されるチャンスがあります。
クラウドソーシングの案件でも発注側は企業が多く真面目なビジネスとして発注しているので途中で投げ出すようないい加減な態度をとってはいけません。
そもそも出来ない仕事を引き受けてはいけませんし、途中で破棄した記録なども残ると後々のキャリアに傷がつく恐れもあります。
引き受けるなら出来る範囲で誠実に対応しましょう。
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